Disc1 | |||||
ノクターン | |||||
1. | 変ロ短調 | Op.9-1 | |||
2. | 変ホ長調 | Op.9-2 | |||
3. | ヘ長調 | Op.15-1 | |||
4. | 変ニ長調 | Op.27-2 | |||
5. | ロ長調 | Op.32-1 | |||
エチュード | |||||
6. | ホ長調 | Op.10-3 (別れの曲) | |||
7. | 嬰ハ短調 | Op.10-4 | |||
8. | 変ト長調 | Op.10-5 (黒鍵) | |||
9. | ハ短調 | Op.10-12 (革命) | |||
10. | 変イ長調 | Op.25-1 (エオリアンハープ) | |||
11. | 三つの新しいエチュード 第1番 ヘ短調 | ||||
ボロネーズ | |||||
12. | 嬰ハ短調 | Op.26-1 | |||
ワルツ | |||||
13. | 変ホ長調 | Op.18 (華麗なる大円舞曲) | |||
Disc2 | |||||
スケルツォ | |||||
1. | 第4番 ホ長調 | Op.54 | |||
ソナタ | |||||
第2番 変ロ短調 | Op.35 | ||||
2. | 第1楽章 | ||||
3. | 第2楽章 | ||||
4. | 第3楽章 | ||||
5. | 第4楽章 | ||||
[税込み価格 ¥4,000] | |||||
手足が矢鱈と長く欧米人並みの上背は優に180センチを超え、その上甘いマスクを持っている。単に背丈が大きいだけでなく、この頑丈な体系は練成によるものであり、見た目からはバスケットボールやバレーボールの選手であろうと誰もが想像する。それもそのはず、幼少時より野球やサッカーに親しみ、アメリカンフットボールで身体と精神を鍛え、更にサーフィンやら何やら・・・。新鋭ピアニスト大塚英一郎の素顔である。
その大塚がボールではなく鍵盤に向かう。極度の緊張を抱えながらも、全神経を演奏に集中させ、徐々に歌い上げて行く。まだ地上に止まっていると見える後輩大塚を、私は些かの不安を胸に、遠くより見守っている。ある光明を探り当てたのを契機に、彼はまるでヤコブの梯子を上り下りするかの如く、楽園と地上を自由に往来し始めた。もはやピアノは彼の一部となり、その繊細な表現と躍動感に満ちたリズムからは、真のピアニズム、演奏芸術を大塚自身が理解し始めたことを感じさせられる。かつて黄金時代の巨匠パーシー・グレンジャーもスポーツ狂であったと聞くが、大塚とグレンジャーが時折重なって見えてしまうのは私だけであろうか。
音楽評論家・音楽学博士
新渡戸 常憲
Copyright © 2008-2024 Eiichiro Otsuka All rights reserved.